• 文芸出版七十年

一期一湯 都内湯屋巡り「桜湯」(東村山・萩原町)

久米川駅から10分ほど、ヒートポンプ方式で湯をわかしているという。タイル絵は栗毛二頭と白馬一頭、水切りのためなのかケロリン桶は逆さに重ねてある。脱衣所の鏡が丁度正反対側にありガラス戸を通して湯殿から三頭が伺える。大きな水風呂に体ごと沈んでみせる若者がいた。
 サラリーマンをしていた頃、駅前のスナックで、代理店の社長におごってもらった。同世代で70年代のヘビメタに詳しく、ロックの話しで盛りあがった。御父君と烏鷺を囲んだこともある。だが今春亡くなられたことを人づてに知った。そういえばペースメーカーをしている、と笑いながら本人から聞いていた気もする。 (2014・皐月)