三十年以上も東京の下町で理科の教師をしてきた著者は、教育者であると同時に詩人である。当然のことながら、「いじめ」や「問題児」に関する詩もあるが、教訓的な面を避け、学校での出来事や行事をユーモアに包んだ詩も多い。更には現場で苦労している先生が日々作らざるを得ない学級指導用のプリントやクラスの学級通信などに、この詩集から気に入った詩を活用し、生徒とのつながりを強める「補助教材」にしてもらいたいというのだ。
巻末の喜岡淳治「詩に寄せて」には、教員同士での情報共有・交換の大切さ、子供たちが学校に来ている理由は、一人ひとりさまざまで、その一人ひとりに向き合うことこそ教育だ、という思いが語られ好感がもてる。
二〇一四年、刊行後に北海道新聞、秋田さきがけ、河北新報、東京新聞、西日本新聞、日本教育新聞等で採り上げられた。また二〇一九年、NHK「ラジオ深夜便」に出演、教育について著者は熱く語った。 定価1,500円(税別)
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